1998 年 34 巻 1 号 p. 70-74
患者は2歳, 男児.項部腫瘤に気づき平成8年6月27日当院小児科を受診した.明らかな外傷の既往はない.入院時, 項部やや右側に圧痛を伴う腫瘤を認め, 腫瘤は急激な増大傾向を示し, 疼痛も増悪した.悪性腫瘍が否定しえないため, 全身麻酔下に生検を施行し, 病理組織学的検査にて結節性筋膜炎と診断された.保存的治療も考慮されたが, 頸部の可動制限のため8月1日摘出術を施行し, 病理組織学的検査及び臨床所見より非外傷性化骨性筋炎と診断された.術後経過は良好にて術後11目に退院した.