日本小児外科学会雑誌
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多発奇形を合併した胸部腎の 2 例
細川 友佳子水田 祥代野口 伸一田口 智章増本 幸二
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2001 年 37 巻 2 号 p. 292-298

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抄録
胸部腎は非常にまれな病態である.われわれは多発奇形を合併した胸部腎を2例経験したので, 文献的考察を加え報告する.症例1は0生日, 女児で, Body Stalk Anomaryの精査にて体部CTを行った際, 左胸部腎を指摘された.その他左横隔膜弛緩症, 右足趾低形成を合併していた.症例2は10カ月, 男児.肺炎を罹患した時の胸写にて右胸部腎を偶然発見されている.外性器奇形(両側停留睾丸, 尿道下裂), 両耳介奇形, 両外耳道奇形, 右口角下制筋低形成, 右片側肥大を合併していた.出生時より右腎は胸部に存在しており, 腎血管の先天的な走行異常を認めた.いずれも胸腔内への他臓器の脱出は認められず, 腎機能に異常はなく経過観察となった.本症は一般に症状はなく, 他に横隔膜ヘルニアなどの重篤な合併症が無ければ, 経過観察でよい.
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