日本小児外科学会雑誌
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虫垂・盲腸に限局した小児 Crohn 病の 1 例
中村 博志平野 敬八郎渡辺 聖岩崎 維和夫種村 宏之三浦 妙太
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キーワード: クローン病, 虫垂炎, 小児
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2002 年 38 巻 6 号 p. 848-854

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抄録

虫垂Crohn病はきわめて稀で, 本邦小児報告例では3例が報告されているにすぎない.今回, われわれは急性虫垂炎症状で発症した虫垂および回盲部に限局したCrohn病の1例を経験したので報告する.症例は12歳の男児.右下腹部痛・発熱を主訴に来院.右下腹部に強い圧痛と筋性防御, Blumberg徴候を認め, 急性虫垂炎の診断にて緊急手術を施行した.盲腸と虫垂は炎症性に著しく腫大し, 虫垂は回盲部と一体となり, 判別不明であったが, 結腸および回腸には著変を認められず, 回盲部切除術を施行した.切除標本では, 盲腸と虫垂壁は著しく肥厚しており, 虫垂根部に壊死を認めた.病理組織学的に盲腸と虫垂には全層性に炎症性細胞の浸潤と非乾酪性肉芽腫を認めCrohn病と診断された.術後1年の現在, 経過観察中であるが再発は認めていない.

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