抄録
小児の脾類表皮嚢胞の症例において,嚢胞を含む脾部分切除を行い,脾臓を温存することができたので報告する.7歳の男児でツベルクリン反応陽転に伴う胸部CT撮影にて,脾異常陰影を認め紹介された.MRI検査で,脾上極脊柱寄りにT-1にて低信号,T-2にて高信号の4.5×4×4cm単房性の嚢胞を認めた.開腹後,短胃動静脈,脾横隔膜ヒダを切離し,脾門部において嚢胞を含む脾臓上極に流入する動静脈を結紫切離した.次いで,脾上極を開腹創外に脱転し脾動静脈本幹を阻血し,嚢胞を含む脾の1/3を部分切除した.切離面は止血後にアビテンを塗布した.総出血量は208mlであった.術後経過は良好であった.病理学的には脾類表皮嚢胞と診断された.