【目的】深夜小児救急医療の現状を分析するために,小児外科医が診察を担当した深夜帯小児科外来受診症例で後方視的統計解析を行った.【対象および方法】平成17年2月から平成18年10月までに新潟市急患診療センター深夜帯小児科外来(午前0時から7時)を受診した患者1,338人に対して,診療を担当した小児外科医が個別に症例評価を行い,その結果を集計解析した.【結果】受診理由では発熱が547例と最も多く,診断としては上気道炎が554例,胃腸炎が308例と合わせて6割以上を占めていた.受診が絶対的必要と判断されたものは11%,適切であったと判断されたものは63%を占めていた.その一方で親の安心のためと考えられた軽症例も24%と多く,2%は受診が不要と判断されていた.親の安心のための受診と考えられた症例では31%が既に十分な投薬を受けていたため投薬不必要な患者であった.【結論】今回の検討により,小児救急医療患者重症度は均一ではなく,効果的な医療の実践には更なる改善が必要と考えられた.