日本小児外科学会雑誌
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Interparietal herniaの1例
藤野 明浩平林 健羽金 和彦
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2010 年 46 巻 4 号 p. 783-786

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抄録

我々は鼠径ヘルニアの稀な1亜型であるinterparietal herniaの1例を経験したので報告する.症例は2か月男児.主訴は,啼泣時に出現する,左鼠径部から左上前腸骨棘上に渡る腹壁の膨隆及び左陰嚢空虚.超音波及びCT検査にて,内鼠径輪付近をヘルニア門とし腹壁筋層内に広がるヘルニア及び左停留精巣と診断され,9か月時に根治術が施行された.手術所見では,左内鼠径輪より腹腔外へ突出したヘルニア嚢が外鼠径輪を通過せず頭側の内腹斜筋層内へ広がっており,左精巣は鼠径管部ヘルニア嚢の壁に付着していた.Interparietal herniaのinterstitial型と診断し,ヘルニア嚢は剥離後に内鼠径輪で高位結紮し,また精巣固定術を施行した.術後経過は良好である.

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