2010 年 46 巻 7 号 p. 1178-1182
症例は在胎37週1,826gで出生の女児.在胎33週に羊水過多と胃泡の確認ができないことから食道閉鎖の存在が疑われた.胎児MRIで上部食道盲端と思われる上縦隔内の嚢状の構造を認めた,出生直後の胸腹部レントゲン検査で消化管ガスのないcoil up signを認め,A型食道閉鎖と診断された.日齢0に胃瘻を造設し,3椎体のgapに対し,Howard法による延長術を開始した.日齢31,下部食道盲端穿孔を発症し,modified Foker法に変更した.連日牽引後,日齢49(体外牽引開始後14日目)に,食道食道端々吻合術を施行した.術後6か月経過し,全量経口摂取で嘔吐なく体重増加良好である.Modified Foker法による体外牽引はlong gap食道閉鎖症例の早期食道再建に有用であった.