日本小児外科学会雑誌
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胸壁内食道延長術時に癒着防止吸収性バリア(セプラフィルム^[○!R])が有用であったA型食道閉鎖症の1例
横井 暁子西島 栄治
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2011 年 47 巻 3 号 p. 341-344

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抄録
A型食道閉鎖症はlong gap例が多く根治術には種々の工夫がなされている.当院では近年胸壁内食道延長術を複数回行った後食道食道吻合術を行っているが,今回初めてセプラフィルムを使用し,食道の剥離が安全に行えた症例を経験した.症例は在胎36週2,612gにて出生したA型食道閉鎖症の女児で,日齢2に胃瘻を造設,2か月時に頸部食道瘻を造設してsham feedingを開始した.5か月時,9か月時,1歳2か月時に胸壁内食道延長術を施行した.頸部食道瘻造設時及び胸壁内食道延長術時に頸部食道周囲にセプラフィルムを貼付した.また食道断端を皮下トンネルより引き抜く際にペンローズドレーンで覆い皮下の汚染を防いだ.結果頭側の創を再切開することなく,5か月時2.5cm,9か月時1.5cm,1歳2か月時1.8cm食道を容易に延長することができ,また1歳6か月時に緊張なく食道食道吻合術を行うことができた.
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