日本小児外科学会雑誌
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臍帯ヘルニアの治療
池田 恵一
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1969 年 5 巻 2 号 p. 231-235

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抄録

新生児の外科的疾患のうち, 臍帯ヘルニアはその特異な外見から一見して診断可能な疾患であり, そのためか本邦でも比較的多数の報告例がある。臍帯ヘルニアの治療法の変遷を見ると, 先づ, Ladd&Grossの二期手術が発表されて救命率は飛躍的に増加し, さらに1957年にはGrobのmercurochrom塗布による保存的療法が発表されて広く諸家の関心を呼んだが, 1967年にはSchusterの短期多次手術が発表されて巨大な臍帯ヘルニアあるいはヘルニア嚢破裂を伴う本症に対し優れた成績が報ぜられている。しかし, これらの新法も一定の適応の下, 細心の注意をもって実施する必要があり, 追試者の発表では必ずしも常に優れた成績が得られず, 種々の欠点も報告されている。私共の経験も症例が少く, 暗中模索の域を脱しないが, 既にLadd, Grobの二期手術, Grobの保存的療法および子宮内嚢破裂の治療等に関して発表したので, 今回は最近経験したSchuster法の2経験例を中心にして述べ, 些か考察を加える。

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© 1969 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

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