日本小児外科学会雑誌
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症例報告
下半身麻痺で発見されたdumb-bell 型ganglioneuroma の1 例
金城 昌克三宅 啓森田 圭一納所 洋矢本 真也宮野 剛福本 弘二漆原 直人
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2014 年 50 巻 5 号 p. 895-899

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抄録
下半身麻痺にて発見された比較的まれなdumb-bell 型ganglioneuroma を経験したので報告する.2 歳時,発熱を契機に下肢麻痺が出現したが1 か月後に自然軽快した.2 歳9 か月時,再度発熱を契機に下肢麻痺が出現し,3 歳時に当院紹介された.右腎下極の後腹膜から脊柱管内に広がるdumb-bell 型の腫瘍を認めた.生検でganglioneuroma が疑われ,さらなる鑑別診断や神経症状に対し腫瘍の部分切除を行った.摘出組織よりganglioneuroma,mature と確定診断した.術後約1 年経過し,両下肢が少しではあるが動かせるようになり運動麻痺はわずかに改善傾向にある.残存腫瘍の増大は認めていない.腫瘍は右腎下極後腹膜の交感神経節から発生し増大したのち成熟・分化したと思われるが,分化後の増大により脊髄圧迫症状を来したものと考えられた.
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