抄録
鼠径部で発症したリンパ管腫が内鼠径輪より後腹膜腔に連続した稀な1 例を経験した.症例は5 歳女児.右鼠径部膨隆を認め鼠径ヘルニアを疑われ当院紹介.画像検査で鼠径管内に多囊胞性病変を認めたが,内鼠径輪直上腹腔側にも病変を認め鼠径管内病変と連続していた.後腹膜腔発症のリンパ管腫を疑い腹腔鏡観察下に手術を施行.後腹膜腔の囊胞性腫瘤は子宮円靭帯に付着しており鼠径部創より鼠径部腫瘤を牽引すると後腹膜腔病変も鼠径管内に滑脱し完全切除が可能であった.病理診断はリンパ管腫であった.手術を行う際,リンパ管腫は再発予防のため完全切除を要する疾患であり,その伸展様式の把握が必要で腹腔鏡下の確認は本症例の診断・治療に有用であった.