抄録
【目的】腹腔鏡下噴門形成術(以下,LF)時に行う肝外側区域圧排法(以下,肝圧排)の操作性,術後肝機能障害に関して検討した.
【方法】2013 年4 月から2015 年3 月で,当科で施行したLF 11 例を対象とした.肝圧排法はNathanson liver retractor による圧排(以下,N 法),テフロンテープによる3 点支持法(以下,T 法),糸針による2 点支持法(以下,V 法)の3 種類が施行され,肝機能障害に関しては,術前および術後1 日目のALT 値について比較を行った.
【結果】N 法3 例,T 法5 例,V 法3 例であった.肝圧排完了までに要した時間は,N 法3.7 分,T 法11.6 分,V 法10 分で,N 法はT 法,V 法それぞれと比較して有意に短時間で肝圧排が可能であった.術後ALT 値は,3 群とも術前よりも有意に上昇していたが,V 法はN 法,T 法と比較して有意に低値であった.また術後ALT 値が100 IU/l 以上に上昇した症例は,100 IU/l 未満の症例と比較して有意に若年であった.
【結論】各種肝圧排法のメリット,デメリットを熟知し,症例に応じて適切な肝圧排法を選択することが肝要であると思われた.