日本小児外科学会雑誌
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原著
当科におけるHirschsprung病に対する術前洗腸管理法の現状と工夫について
仲谷 健吾平山 裕飯沼 泰史靏久 士保利
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2016 年 52 巻 1 号 p. 89-95

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抄録
【目的】Hirschsprung 病(以下,H 病)根治手術前の腸管減圧の重要性は良く知られているが,具体的な手順は施設毎に異なる.今回,当科におけるH 病の根治術前管理法について報告する.
【方法】2010 年1 月から2015 年5 月に経験したH 病患児9 例を対象とし,注腸造影による病型診断の後,経肛門的に塩化ビニル製チューブを2 本留置して1 日2 回の洗腸と持続ドレナージによる術前管理(以下,本法)を行った.
【結果】各病型はrectal aganglionosis 2 例,rectosigmoid aganglionosis 5 例,long segment aganglionosis 1例,total colon aganglionosis(以下,TCA)1 例で,病型に応じてS 状結腸下行結腸移行部から盲腸の間にチューブ先端を留置した.留置開始時日齢は1~130(中央値3),チューブ総留置期間は17~88 日(中央値21 日),根治手術時日齢は20~301(中央値26)であった.留置期間中,全例経口哺乳による栄養管理が可能であった.TCA の1 例は病理診断が確定し回腸瘻を造設するまでの20 日間に渡って本法により管理でき,他の8 例は一期的根治術が可能であった.チューブ挿入に伴う合併症や腸炎増悪例はなかった.
【結論】経肛門的洗腸チューブを2 本留置する当科独自の本法の方式は,腸管内の圧バランスを一定に維持しながら結腸内を還流させ,効率的にかつ比較的短時間で洗浄できる利点があり,H 病患児の術前を安全に管理できる有用な方法となっていると考えられた.
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