日本小児外科学会雑誌
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症例報告
エタノール硬化療法が著効したOK-432治療抵抗性頸部リンパ管奇形の2 例
松浦 玲上原 秀一郎田附 裕子上野 豪久田中 夏美山中 宏晃高間 勇一奥山 宏臣
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2016 年 52 巻 4 号 p. 977-981

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抄録
リンパ管奇形に対するOK-432 による硬化療法は保険収載され,有効例も多いため広く行われている.しかしその無効例に対する治療の選択には難渋する.我々はOK-432 抵抗性であったが,エタノール硬化療法が著効した頸部リンパ管奇形の2 例を経験したので報告する.症例1,15歳,女児.右頸部リンパ管奇形(mixed type)に対し計7 回のOK-432 局注を行うもリンパ管奇形は増大傾向であった.エタノール硬化療法を施行後2 週間は穿刺排液を要したが,以降は頸部の腫大なく経過している.症例2,20 歳,女性.15 歳時より右頸部リンパ管奇形(mixed type)に対しOK-432 による硬化療法,摘出術を施行されたが,リンパ管奇形は増大傾向であった.エタノール硬化療法を施行後,囊胞は縮小し再増大は認めない.OK-432 抵抗性のリンパ管奇形に対するセカンドラインの治療として,エタノール硬化療法は安全かつ有効である可能性が示唆された.
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