日本小児外科学会雑誌
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症例報告
体質性黄疸の合併により黄疸の遷延を認めた遺伝性球状赤血球症の1例
久松 千恵子西島 栄治前田 貢作
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2016 年 52 巻 5 号 p. 1061-1066

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抄録

症例は6 歳女児.3 歳時に黄疸の精査で遺伝性球状赤血球症(HS)と診断された.4 歳時より半年に1 回位の頻度で右上腹部痛があり,腹部超音波検査では胆泥が確認されていた.6 歳時に腹痛が頻回となり,黄疸の増強と画像検査にて脾腫と総胆管内の胆泥貯留を認め,当院に紹介入院となった.内視鏡的経鼻胆道ドレナージ・乳頭括約筋切開術により胆泥はドレナージされたものの黄疸は持続した.その後,腹腔鏡下脾臓・胆囊摘出術を施行.術後腹腔内出血を生じ,経カテーテル的動脈塞栓術を行ったが完全な止血は得られず,開腹止血術を行った.その際血液凝固能の著明な低下を認めた.止血術後,黄疸は漸減したが遷延した.精査にてビリルビンUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT1A1)の遺伝子変異を認め,体質性黄疸の合併と診断した.HS で幼少期に胆泥・胆石や遷延性黄疸を生じる症例では,体質性黄疸を合併している可能性があると考えられた.

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