日本小児外科学会雑誌
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原著
脊髄性筋萎縮症I型に対する乳児期喉頭気管分離術の検討
松久保 眞野口 啓幸馬場 徳朗家入 里志
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2018 年 54 巻 2 号 p. 231-235

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抄録

【目的】脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy,以下SMAと略す)I型患児に診断後早期の乳児期に喉頭気管分離術を行うことの有益性の評価を行う.

【方法】2008年4月から2015年4月までの当科で喉頭気管分離術を施行したSMA I型の5症例(男児3例,女児2例)を対象とした.手術はすべて乳児期にLindeman変法に準じて行った.自験例の患者背景,手術成績,術後経過に関して後方視的に検討した.

【結果】発症の平均月齢は1.6±1.0か月であった.4症例が遺伝子検査,1症例が家族歴と臨床経過よりSMA I型と診断された.術前の画像評価では全症例で無気肺を伴っていた.手術時の平均月齢は5.6±1.0か月で,平均体重は6.4±1.4 kgであった.術後合併症は認めず,術後の呼吸器感染による入院の頻度は平均0.77回/年であった.現在,全症例で在宅管理が継続されている.また2症例が,周囲とのコミュニケーションに意思伝達装置を利用していた.

【結論】SMA I型の5症例に対して乳児期に,喉頭気管分離術を安全に行うことができ,繰り返す呼吸器感染による肺の荒廃防止に効果的であった.SMA I型に対して乳児期に喉頭気管分離術を行うことは,在宅で生活する患児また家族にとって有益と考えられた.

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