2018 年 54 巻 6 号 p. 1250-1255
症例は15歳0か月の重症心身障がいを有する女児.1年以上持続する不正性器出血を主訴として当院に紹介された.MRIで49 mm大の骨盤内腫瘍性病変が確認され,腟原発横紋筋肉腫が疑われた.CTでは膀胱浸潤が疑われた.経腟的には良好な検体が採取できず,開腹腫瘍生検が施行され,子宮頸部明細胞腺癌と診断された.初回手術後15日目に出血コントロールを目的とした単純子宮摘出術および両側卵巣摘出術が施行された.膀胱への浸潤を認め,術後診断はFIGO臨床進行期分類IVAとなった.術後,腟からの出血なく経過し,術後21日目に療養型病院へ転院した.術後5か月時には間欠的な経腟出血を伴う局所再発を認めているが,QOLは維持されている.小児の性器出血や骨盤内腫瘍性病変においては,稀ではあるが本症の可能性も念頭に置く必要がある.また,根治性とQOLを考慮した治療方針の決定が重要であると思われた.