2019 年 55 巻 1 号 p. 42-46
【目的】当科では急性虫垂炎に対する手術を若手外科医が担当し,単孔式腹腔鏡下虫垂切除術(SILA)および虫垂根部を体内結紮(intracorporeal knotting;IK)で処理している.若手外科医には日々のIKのドライボックストレーニング(drybox training;DT)を課している.今回,IKの成績を検討したので報告する.
【方法】2015年4月から2016年12月の期間で,卒後3年目の後期研修医が執刀を担当し,虫垂根部をIKで処理した症例を対象とした.また2016年3月までDTの指導は直接指導で行っていたが,4月からSNSを併用した.DTの指導にSNSを利用しなかった術者が執刀したS(-)群,SNSを利用した術者が執刀したS(+)群の2群間で手術時間,IKに要した時間,術後合併症に関して比較検討を行った.
【結果】術者はS(-)群4人,S(+)群3人で,11例に対してSILA・IKが施行された.手術時間に差を認めなかったが,IKに要した時間は,S(-)群15.2分,S(+)群9.1分で,S(+)群で有意に手技時間の短縮を認めた.両群とも術後合併症を認めなかった.
【結論】IKは事前のDTにより合併症なく安全に施行することができた.またSNSを利用した方がIKの時間を短縮できたことから,SNSは効果的にDTの学習効果を高める可能性が示唆された.