2019 年 55 巻 5 号 p. 993-996
誤嚥した異物が食道内に停滞し,仮性憩室を形成した1例を報告する.症例は1歳1か月の男児で,食後の嘔吐,啼泣時喘鳴を主訴に前医を受診した.胸部X線,CT検査で食道穿通が疑われ当院に紹介された.緊急食道内視鏡検査で胸部上部食道に狭窄および樹脂フィルム片が嵌入した憩室を認めた.異物除去後,症状は消失し食道憩室は著明に縮小した.食道異物は穿孔のリスクがあり迅速に摘出する必要があるが,本例は目撃者不在で軽い症状であったため,長期に食道内に停滞し症状が悪化して診断された.慢性的に続く乳幼児の嘔吐,喘鳴を診た際には食道異物の可能性も念頭におく必要がある.