日本小児外科学会雑誌
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症例報告
先天性十二指腸閉鎖症術後に胆道閉鎖症を発症した1例
菅原 大樹上原 秀一郎山岡 敏星 玲奈吉澤 信輔川島 弘之金田 英秀大橋 研介越永 従道
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2021 年 57 巻 1 号 p. 33-37

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抄録

先天性十二指腸閉鎖症術後に胆道閉鎖症を発症した極めて稀な1例を経験したので報告する.症例は日齢0の男児.胎児超音波検査で先天性十二指腸閉鎖症と出生前診断されていた.在胎34週2日,帝王切開で出生し,日齢1で十二指腸十二指腸吻合術を施行した.術後経過は良好であったが,日齢40頃から灰白色便を認め,日齢67で開腹造影検査を施行した.三管合流部付近で総胆管の囊胞性腫大を認め,囊胞から直接穿刺造影をすると左右肝管は造影されたが,総胆管下部から十二指腸への造影剤流出はなく閉塞していた.胆道閉鎖症(I cyst-b1-α型)と診断し,肝外閉塞胆管切除,肝管空腸吻合術を施行した.先天性十二指腸閉鎖症術後に胆道閉鎖症を発症した報告は少ないが,報告例には総胆管下部が閉鎖または狭窄した吻合可能型が多いとされ,先天性十二指腸閉鎖症術後に発症する胆道の閉塞や欠損には共通のメカニズムが存在する可能性が考えられた.

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