2021 年 57 巻 7 号 p. 1084-1088
症例は7歳,女児.夜間に誘因なく間欠的腹痛を認め近医を受診,単純CT検査で腹部腫瘤を指摘され当院へ搬送となった.入院時,下腹部に腫瘤を触知し,腹部全体に軽度の圧痛を認めるも,筋性防御は認めず.造影CT検査で右卵巣腫瘍を認め,腫瘍破裂を疑われた.術中所見で右卵巣に10 cm大の腫瘍を認め,腫瘍は背側で破裂していた.腫瘍の卵管・子宮への肉眼的な浸潤,腹膜播種巣は認めず,卵管および卵管采付着部近傍の卵巣被膜を温存しつつ腫瘍のみを切除した.病理組織所見から横紋筋肉腫様成分が腫瘍の大部分を占めた低分化型Sertoli-Leydig細胞腫と診断された.術後に高リスク横紋筋肉腫に準拠して化学療法を行い,放射線療法および大量化学療法,末梢血幹細胞移植を施行した.術後4年を経過したが再発は認めていない.自験例は腫瘍破裂を認め,予後不良な組織型であることから今後も厳重な経過観察が必要である.