2022 年 58 巻 1 号 p. 45-51
症例は19歳,女性.Hirschsprung病類縁疾患(腸管神経節細胞僅少症)で高位空腸瘻を造設し,在宅中心静脈栄養を行っている.今回,CVポート周囲の痛みを主訴に入院となった.血液培養陽性でカテーテル関連血流感染症(以下CRBSI)としてCVポート入替と抗菌薬治療後に退院となった.しかし退院後12日目に発熱を主訴に受診となり,血液培養陽性で胸部CTでは両肺に多発する浸潤影を伴う結節影・空洞形成を認めた.CRBSIに伴う敗血症性肺塞栓症と診断し再入院となった.残存中心静脈ルートが限られていたためカテーテル温存として抗菌薬加療を開始したが呼吸状態が悪化したため中心静脈カテーテルを抜去した.抜去後は速やかに呼吸状態の改善を認め,抗菌薬治療とCVポート入替後に退院となった.本疾患においては胸部CTによる診断ならびに適切な抗菌薬による早期治療介入が必要である.自験例の経過と本疾患の報告例をまとめて報告する.