2022 年 58 巻 4 号 p. 753-757
精巣捻転症は早期に診断し,治療を行うべき疾患であるが,外傷を契機とした場合は診断時期が遅れ,精巣温存できる症例は少ないとされる.症例は14歳の男児.左陰囊上部を打撲後より陰囊痛と腫脹を認め,痛みが持続するため受傷後5日目に当院救急外来を受診した.超音波検査とMRI検査で精索の浮腫と精巣破裂を疑う所見を認め,緊急手術を行った.術中所見では左精巣が外向きに720度捻転しており,外傷性精巣捻転症と診断した.精巣白膜の損傷は認めず,血腫も認めなかった.捻転の解除により精巣の色調が改善したため,両側の精巣固定術を行った.術後経過は良好で,術後2日目に退院し,術後6か月の超音波検査で患側精巣の血流は保たれ萎縮を認めていない.外傷性精巣捻転症はまれであるが,外傷後に疼痛が持続する場合は積極的に疑って加療すべきである.