2022 年 58 巻 4 号 p. 758-762
乳児腸重積症の器質的病変では,回腸ポリープの頻度は稀である.今回小腸若年性ポリープによる乳児腸重積症の1例を経験したので報告する.3か月男児.哺乳不良ののち,血便をきたし,活気不良も伴ったため当院を受診した.左上腹部に腹部超音波上target signを伴う腫瘤を認め,腸重積症と診断した.非観血的整復を行ったが小腸小腸重積が残存したため緊急手術を施行した.術中所見では回盲弁から口側7 cmに回腸ポリープを先進部とする腸重積を認め,腫瘤を含めた回腸部分切除術を施行した.病理所見では,ポリープ基部間質に囊胞状の腺管構造を認め若年性ポリープと診断した.若年性ポリープはほとんどが結腸・直腸に発生するため,結腸結腸型腸重積症をきたす例が多いが,若年性ポリープによる小腸腸重積症は極めて稀で,検索し得た限り本邦の報告は自験例を含め8例のみであった.