日本小児外科学会雑誌
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症例報告
腹腔鏡による観察の後に外科治療方針を決定した交叉性精巣転位症の1例
川脇 拓磨文野 誠久嶋村 藍深田 良一竹本 正和髙山 勝平金 聖和東 真弓青井 重善
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2023 年 59 巻 2 号 p. 208-211

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抄録

交叉性精巣転位症(以下,本症)は,片側精巣が正中線を越えて転位し,対側の腹腔内や鼠径管・陰囊内に停留する比較的まれな疾患である.今回,腹腔鏡により外科治療方針を決定した本症を経験したので,報告する.症例は10か月,男児.1か月健診で左非触知精巣を指摘され,MRI検査にて右陰囊内と右鼠径管内に精巣を一つずつ認めたため,本症が疑われ,手術加療を行った.腹腔鏡で観察すると右内鼠径輪の開存を認め,ヘルニア囊内の右陰囊底部および右内鼠径輪近傍の腹腔内にそれぞれ精巣を認めた.腹腔内精巣の精索は,左内鼠径輪近傍から膀胱前面を横切り,腹腔内精巣へと連続していた.左精巣を左内鼠径輪から下降させるには精索の剥離範囲が広いため,両側精巣を右鼠径部創から導出し,精索のより長い右精巣を陰囊中隔を通して左陰囊内に固定した.左精巣は右陰囊内に固定した.術後6か月の現在,明らかな精巣萎縮や位置異常は認めていない.

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