2023 年 59 巻 2 号 p. 203-207
症例は女児.日齢18に腹部膨満が出現し,当院紹介となった.単純X線写真で腹腔内遊離ガスを認めたため緊急手術を施行し,回腸末端の消化管穿孔に対して単純縫合閉鎖を行った.術後1か月時にイレウスを認めたが保存的に軽快した.その後7か月時に下血を主訴として来院し,血液検査ではHb 7.5 g/dlと貧血を呈し,造影CT検査で回腸末端に著明な造影効果を認めた.腸管血管腫からの出血を疑い,入院翌日に試験開腹術を施行した.回盲弁から口側15 cmの回腸と腸間膜に血管腫を認め,回盲部切除を行った.病理診断は乳児血管腫であった.術後10日目に自宅退院し,現在まで再発を認めていない.乳児血管腫は通常生後1週頃から増生し始め,生後10か月頃までに増生のピークを迎えると言われている.本症で見られた消化管穿孔の発生部位は,その後に判明した血管腫の部位と一致しており,穿孔の原因として血管腫が関与している可能性が考えられた.