2023 年 59 巻 4 号 p. 819-825
被囊性腹膜硬化症(以下,本症)は肥厚した腹膜の広範な癒着により腸閉塞を呈する疾患であり,腹膜透析の合併症として知られているが,腹膜透析以外に合併することはまれである.今回,われわれは本症をAYA世代横紋筋肉腫の術後化学放射線療法後に経験したので報告する.症例は21歳の男性.19歳時に前医で腹腔内出血を来した膀胱原発横紋筋肉腫(stage IV)に対して大網切除,膀胱部分切除術を施行された.当院に転院後,COGのARST0431プロトコールに準じて化学放射線療法を施行された.化学療法12か月後,放射線療法6か月後に,腸閉塞を発症し保存的加療を行うも改善なく試験開腹術を施行した.腹膜,小腸漿膜は白色の厚い被膜で覆われており,特に高度な癒着を認めた回腸を部分切除した.病理組織学的に中皮下結合組織の線維性肥厚があり臨床経過から本症と診断した.術後6年経過し,本症および横紋筋肉腫の再発なく生存中である.