日本小児外科学会雑誌
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症例報告
全胃吊り上げ食道再建術後,10年以上経過した先天性食道閉鎖症の予後評価について
―消化器系と呼吸循環器系の現状を中心に―
飯沼 泰史平山 裕仲谷 健吾内藤 真一新田 幸壽
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2023 年 59 巻 4 号 p. 810-818

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抄録

今回我々は,Long gapの先天性食道閉鎖症に対し,全胃吊り上げ食道再建術(gastric transposition: GT)施行後,10年以上経過した4例について,消化器,呼吸循環器,成長・栄養の観点から現状を報告する.4例の病型はC型2例,A,B型各1例で,全例生後5か月以内にGTを試行した.嚥下と食事摂取法に関する愁訴が,それぞれ3例と2例認められた.また1例で軽度の胃食道逆流があり,全例で慢性胃炎の状態であった.胸部CTでは,拡張した全胃により2例で心肺系の圧排を認めたが,全例心機能に異常はなかった.しかし呼吸機能では2例で肺活量の低下を認めた.栄養・成長面では,全例で身長または体重が標準以下であったが,現時点のQOLは良好であった.GT後は消化器,呼吸器,成長面で問題は残るが,循環器系の問題はなく,嚥下と食事の愁訴に対しても適応可能で良好なQOLであることが判明した.

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