日本小児外科学会雑誌
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症例報告
長域型ヒルシュスプルング病のpull-through腸管の血流温存に術中ICG蛍光法が有用であった1例
宮嵜 航 近藤 剛野口 伸一
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2024 年 60 巻 2 号 p. 186-189

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抄録

症例は9か月男児.脾弯曲部にcaliber changeを有する長域型ヒルシュスプルング病に対して日齢63に人工肛門造設術を施行した.月齢6頃の根治術を予定していたが,COVID-19の感染のため手術延期となり,月齢9に根治術目的で入院となった.術式は腹腔鏡補助下Swenson法を施行した.Pull-through腸管の腸間膜の切離は,辺縁血管を温存しながら,中結腸動脈を根部で処理し,回結腸及び右結腸動脈の血流を残す方針とした.腸間膜の脂肪が多く,血管が透見できなかったため,血管の同定にIndocyanine green(以下,ICG)蛍光法によるナビゲーションを併用した.腸間膜の切離後に,ICG蛍光法でpull-through腸管の断端の血流に問題がないことを確認し,肛門管に吻合し手術を終了した.現在,術後3か月であり,合併症なく経過している.ICG蛍光法は,腸間膜の血管の同定が困難な症例のpull-through腸管の血流温存に有用であると考える.

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