日本小児外科学会雑誌
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症例報告
胎児臍帯囊胞破裂による膀胱外反を伴った膀胱臍瘻の1例
松本 匡永永田 公二 福田 篤久近藤 琢也馬庭 淳之介川久保 尚徳小幡 聡栁 佑典松浦 俊治田尻 達郎
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2024 年 60 巻 4 号 p. 719-724

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抄録

症例は日齢0の女児.在胎12週4日に胎児超音波検査でひょうたん型臍帯囊胞を指摘されたが,在胎24週2日には臍帯囊胞は消失していた.在胎32週5日に母体の切迫早産のため緊急帝王切開で出生した.臍帯基部尾側が裂け,膀胱粘膜が外反して露出していた.膀胱臍瘻の診断で緊急手術を施行した.膀胱切離ラインの決定の際に,術中膀胱容量測定を用いることで過度な膀胱壁の切除を回避した.病理検査では摘出標本内に明らかな尿膜管組織は含まれなかった.術後25日目の排尿時膀胱尿道造影で,膀胱尿管逆流や下部尿路狭窄のないことを確認し,術後36日目に退院した.近年の出生前診断の進歩に伴い,胎児期から臍帯囊胞を指摘され,出生後に尿膜管遺残,膀胱臍瘻と診断される症例報告が散見される.胎児期に指摘された臍帯囊胞が消失した場合,膀胱臍瘻の可能性があり,出生直後の手術介入の際には術後の泌尿器合併症を回避するための術式の工夫が必要である.

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