日本小児外科学会雑誌
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症例報告
虫垂瘻造設により回盲部が温存できた回盲部近傍回腸穿孔による胎便性腹膜炎の1例
洲尾 昌伍 黒田 靖浩金廣 裕道庄 雅之
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2024 年 60 巻 5 号 p. 830-836

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抄録

胎便性腹膜炎では,消化管穿孔の時期や部位に基づいた適切な手術術式の選択が必要である.今回,回盲部近傍回腸穿孔による胎便性腹膜炎に対し,虫垂瘻を造設することで術後の肛門側注入を可能にし,回盲部を温存しえた症例を報告する.症例は胎児期より胎便性腹膜炎が疑われていた女児.出生後より腹部膨満が増悪し,出生当日に緊急手術を施行した.回盲部から1.5 cm口側の回腸に閉鎖を認め,閉鎖部の口側で回腸が穿孔し,腹腔内に胎便が漏出していた.腹腔内は炎症と癒着が高度であり,一期的回腸吻合は困難と判断し回腸瘻造設を選択した.さらに,術後に肛門側腸管注入ができ,ストマ閉鎖時に回盲部切除を回避できる方法として,虫垂瘻を造設した.術後は虫垂瘻から肛門側注入を行うことで良好な体重増加が得られた.また,ストマ閉鎖時にはほぼ口径差のない吻合が可能で回盲部を温存しえた.

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