2024 年 60 巻 5 号 p. 826-829
【症例】1歳10か月の女児.腹痛,嘔吐が改善なく持続し,前医で撮影した腹部造影CTで腸閉塞の診断となり当院へ救急搬送された.CT所見で回腸内部に低吸収の異物と口側腸管の著明な拡張を認めた.胃石や外来異物の嵌頓による機械性腸閉塞として同日緊急手術を行い,回腸を2 cm切開して異物を摘出した.異物は糞石で,内部は繊維質で胃石様の形状であった.回腸切開部を修復し手術を終了した.術後経過は良好で術後3日目より食事を再開し,術後10日で退院となった.術後,患児は嗜好の偏りから多量のミニトマトを好んで摂取していたことが判明した.糞石の成分検査ではタンニン酸類似物質が検出され,胃石症として矛盾なく,ミニトマトの多量摂取が原因と考えられる胃石症と診断した.【まとめ】食餌性胃石症は柿が原因となることが有名だが,他食品でも発症し,腸閉塞を来す例は少数報告があり,既往のない腸閉塞の鑑別として念頭に置く必要がある.