日本小児外科学会雑誌
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症例報告
幽門近傍の胃瘻管理に難渋した1例
竹内 優太 井上 成一朗牟田 裕紀林 泰輔川口 皓平小高 明雄
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2025 年 61 巻 6 号 p. 968-972

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抄録

重症心身障碍児に対する胃瘻造設術は幅広く普及している.一方で胃瘻管理には合併症も多く注意が必要である.我々は,幽門近傍に造設された胃瘻の管理に難渋し,様々な工夫で改善を得られた症例を経験したので報告する.症例は,10歳女児で,生後10か月で経口摂取困難に対して噴門形成術,胃瘻造設術を施行された.8歳頃より嘔吐症状,腸閉塞を繰り返し9歳で横行結腸人工肛門造設術を施行した.その後,胃瘻の管理に難渋し嘔気症状や胃の拡張,ball valve syndromeやバンパー埋没症候群などの合併症を発症し,栄養剤やデバイスの調整を行った.最終的に10歳6か月で人工肛門閉鎖術の際に胃瘻再造設を行い,以降良好な経過をたどっている.本症例を通じて,栄養調整や成長に応じたデバイス選択の重要性が示唆された.

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