2026 年 62 巻 5 号 p. 931-941
【目的】九州小児外科研究会の会員施設に重症心身障害児者の外科治療に関するアンケート調査を行い,胃瘻造設術の実態について調査した.
【方法】対象は,2018年1月~2022年12月に全身麻酔下に胃瘻造設術を受けた症例で,調査項目は,年齢,同時に行った手術,術式,胃壁固定法,術後の栄養管理と合併症とした.
【結果】22施設から579例の胃瘻造設例が集計された.年齢層は1~5歳が37%と多いが,16歳以上も30%を占めた.胃瘻造設単独例は321例で,同時に施行された手術では,噴門形成術が163例と最も多かった.胃瘻造設単独例では,消化管内視鏡を用いない腹腔鏡補助下胃瘻造設術が37%と最も多く,次いで腹腔鏡補助下経皮内視鏡的胃瘻造設術(LA-PEG)が26%であった.消化管内視鏡を併用した症例の80%に鮒田式胃壁固定具®が使用されていた.術後の胃瘻からの水分投与は,術後1日目までに開始されていたが,経腸栄養は術後1~4日に開始されていた.術後のミキサー食は,17%の症例で投与されていた.術後感染性合併症発生率は,PEG群およびLA-PEG群において,腹腔鏡補助下胃瘻造設群と比較して有意に低かった.
【結論】小児外科医は,小児のみならず成人の重症心身障害者に対しても胃瘻造設を行っていた.術式では腹腔鏡補助下胃瘻造設術が最も一般的であったが,術後合併症ではPEGおよびLA-PEGが優れていた.術後の栄養投与では,開始時期は必ずしも早くなく,早期のミキサー食導入は少なかった.