日本小児外科学会雑誌
Online ISSN : 2187-4247
Print ISSN : 0288-609X
ISSN-L : 0288-609X
症例報告
輪状軟骨前方鉗除による気管切開術後に反転皮弁を用いた気切孔閉鎖術を行った重度胸椎後弯の1例
入江 友章 高見澤 滋永井 史緒笠井 智子岡野 寛好沢 克
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2026 年 62 巻 5 号 p. 970-974

詳細
抄録

症例は21歳男性.特異顔貌,胸椎後弯,精神発達遅滞などから先天性奇形症候群と診断された.胸椎後弯矯正手術時の安定した気道確保のため,13歳時に輪状軟骨前方鉗除による気管切開術が施行された.その後,20歳時に胸椎矯正術が完了し,気切孔閉鎖術のため当科を紹介受診.気切孔は14×16 mmで試験的に閉鎖しても自発呼吸は障害されないため,気切孔閉鎖術を行う方針とした.手術は気切孔周囲の前頸部に紡錘状の皮膚切開を入れ,気切孔頭側に気切孔を閉鎖するための表皮を島状に残し,周囲の表皮を切除した反転皮弁(hinge flap)を作成し,気切孔を縫合閉鎖した.術後,術前から認められた誤嚥による肺炎が懸念されたが,食形態を調節することで誤嚥なく術後7日目に退院となり,その後も問題なく経過している.輪状軟骨前方鉗除によるいわゆる永久気管孔でも,皮弁による気管切開孔閉鎖術を安全に行うことが可能であった.

著者関連情報
© 2026 一般社団法人 日本小児外科学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top