2026 年 62 巻 5 号 p. 964-969
症例は9生日の男児.在胎39週2日,自然経腟分娩で出生.出生時体重3,038 g,Apgar score 1分値7点,5分値8点.出生後,徐々に陥没呼吸を認め前医へと新生児搬送され,人工呼吸器管理が開始された.胸部造影CT検査にて,右胸腔内を占拠する48×38×50 mmの腫瘍性病変を認め,日齢9に当院NICUに転院となった.日齢13に撮影した胸部造影CT検査で右中葉気管支の途絶を認め,腫瘍は右中葉由来であった.日齢44にhemi-clamshell approach(HCA)により開胸し,右中葉切除を施行し,日齢101に退院した.
本邦における胎児肺間質腫瘍(FLIT)の報告は自験例を含め8例で,全例出生後に診断され,HCAによる開胸は2例に施行されていた.HCAは,新生児期発症の巨大肺腫瘍に対する開胸法として,良好な視野確保により安全性が担保できるため,考慮すべき開胸法の一つであると考えられた.