小児外科および周産期医療の進歩により,先天性疾患を有する新生児の救命率は著しく向上した一方で,長期的な神経発達予後が現在の新生児医療における課題の一つとなっている.近年,発達期脳に対する麻酔薬の神経毒性が注目され,基礎研究では神経細胞アポトーシスや認知機能障害が報告されている.しかしヒトを対象とした前向き研究では,単回かつ短時間の麻酔曝露が知能指数に明らかな影響を及ぼさないことが示されており,その臨床的意義については依然議論が続いている.一方で新生児の神経発達には麻酔薬のみならず,原疾患,患者背景,周術期の循環・呼吸動態など多くの因子が関与する.本稿では麻酔薬の神経毒性に関する最新の知見を概説するとともに,新生児の神経発達を考慮した周術期管理について概説する.