【目的】2022年3月に発刊された「腸回転異常症診療ガイドライン」について,認知度と使用状況を把握するための公開後アンケート調査を実施し,日本医療機能評価機構のEBM普及推進事業(Minds)による評価結果と合わせて,今後の課題について検討した.
【方法】2023年6月から9月に,ガイドライン記載の6つのクリニカルクエスチョン(CQ)に沿って質問を設定し,日本小児外科学会会員を対象に,オンライン形式でアンケート調査を実施した.Mindsによる評価はThe Appraisal of Guidelines for Research and Evaluation IIを用いた.
【結果】本アンケート調査に対し104名の会員より回答を得た(全会員の5.0%相当).認知度と使用状況については,「公開されたことを知っていて,診療の参考にしている」が37.2%,「公開されたことを知っていて,診療の参考にしようと思っている」が41.3%で,経験年数や症例数が多いほど認知度が高かった.CQ毎の診療方針への影響は,「公開前から推奨と同じ方針である」は59.6~75.0%,「推奨と違う方針であったが,公開後は推奨と同じ方針とした」は3.8~7.7%であった.「公開前は推奨と違う方針であるが,変化はない」との回答は5.3~22.1%で,一番多かった22.1%はCQ4-4の腹腔鏡下手術に関する設問であった.Mindsによる評価は,全体評価は83%と高値であったが,患者・家族等の利害関係者の参加が56%と低値であった.
【結論】アンケート結果より,腸回転異常症の診療を支援するという本ガイドラインの主要な目的はある程度達成されていることが示唆された.一方,腹腔鏡下手術の適応は実態とガイドラインの推奨が乖離している,患者・家族等の利害関係者の参加が少ない,といった今後の改訂に向けた課題が明らかになった.