気管支学
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先天性気管支胆管瘻の1手術例
酒井 章次椎名 栄一細田 洋一郎橋本 光正山本 修美洪 淳一正村 滋春日 善男大辻 正高中島 規範関 達夫谷本 伸弘石原 恒夫菊池 功次堀之内 宏久鳥潟 親雄
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1988 年 10 巻 1 号 p. 62-68

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抄録

成人での先天性気管支胆管瘻を経験したので報告する。症例は26歳女性で,主訴は発熱,咳嗽,喀痰である。気管支鏡で右主気管支から異常分岐する気管支を認め。気管支造影で気管支と胆管が交通していることを確認し,先天性気管支胆管瘻と診断した。瘻管摘出術を施行し,瘻管の組織学的検索を行った。瘻管の気管支側は気管支軟骨を有する気管支の組織であり,胆管側は高円柱上皮に覆われた胆管の組織であった。その中間の組織は固有胃腺がみられ,腸上皮化生を伴った胃の組織であった。先天性気管支胆管瘻はわれわれの調べえた範囲では14例(本邦3例)の報告例しかなく,まれな疾患である。またこれまでの報告例では3歳未満の乳幼児のみであり,成人での症例は本例が第1例と思われる。

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© 1988 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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