気管支学
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当科における小児の気管・気管支異物症例の検討
石川 成美小川 功森田 理一郎村山 史雄中川 晴夫鬼塚 正孝赤荻 栄一遠藤 勝幸蘇原 泰則三井 清文
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1990 年 12 巻 1 号 p. 82-87

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抄録

当科での9例の小児気管・気管支異物例について検討した。2才以下は6例を占め, うち2例はそれぞれ, 魚骨およびまち針を誤嚥した直後より症状が出現し, 1日以内に治療が行われた。しかし, 豆類を誤嚥した4例は, 来院・治療まで1日以上を要し, 胸部X-P上も肺気腫, 無気肺といった随伴所見を有していた。6例とも全麻下, うち1例は喉頭鏡, 5例は硬性気管支鏡を用いて異物を除去した。年長児のうち6才と11才児は異物誤嚥の既往がはっきりしており, 24時間以内に気管支ファイバースコープで除去した.14才児は2年間繰り返す肺炎ののち, 亜区域支の異物を気管支ファイバースコープにて確認されたが, 肉芽に埋もれ除去できず, 開胸下に除去した。気管支鏡は診断, 治療に有用な手段であり, 幼小児には硬性鏡, 年長児にはファイバースコープが有用であると考えられた。

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© 1990 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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