気管支学
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閉塞性気管・気管支炎を呈した Relapsing polychondritis の 1 例 : 気管支鏡所見の推移
臼井 実中村 重徳五島 桂子
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1990 年 12 巻 1 号 p. 93-99

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抄録

症例は23歳女性, 主訴は喘鳴と呼吸困難。昭和63年9月頃より咳・痰・胸部不快感あり, 近医で通院治療うけたが軽快せず11月21日当院へ入院した。通常の喘息治療・抗生剤では効果なく耳鼻科にて声帯直下の気管閉塞を指摘され気管断層にて気管上部の閉塞と診断, 気管切開を施行した。左肺の呼吸音聴取出来ず胸部正面断層・CT・気管支ファイバー(BF)にて気管支全体の浮腫性変化と左主気管支の浮腫性閉塞を認めた。Predonine(PD)50mg内服1週間後にBFを施行した。気管気管支全体の浮腫性変化は認めたが左主気管支は開存していた。生検では炎症性・反応性変化のみで特異的所見は得られなかった。その後PD30mgに減量した時点で気管気管支病変は再発し, 両側耳介軟骨炎・角結膜炎も合併していた。この時点でRelapsing Polychondritisと診断しPD60mgの増量で症状は軽快し現在40mgにて順調である。診断治療に苦慮したRelapsing Polychondritisの1例を経験したので報告する。

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© 1990 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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