気管支学
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フェロマンガン吸入後の急性気管支炎の1例
藤森 勝也鈴木 栄一荒川 正昭
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1992 年 14 巻 4 号 p. 357-361

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抄録
41歳,男性,非喫煙者。フェロマンガンを扱う職場(乾電泡製造)で,誤って防塵マスクにフィルタを入れずに約1.5時間使用した。その後,軽い乾性咳嗽,呼吸困難感が出現し来院。入院時,微熱(金属フューム熱)と頻呼吸を認めたが,胸部聴診上,ラ音はなかった。PaO_2 72.5torr, PaCO_2 35.9torrと低酸素血症がみられ,努力肺活量4.77L,一秒率76.9%と軽度低下していた。胸部単純X線及びCT写真には,異常がなかった。気管支鏡検査では,急性気管支炎の所見がみられ,また気管支肺胞洗浄(BAL)所見は,総細胞数3.1×10^5/ml,分画で,マクロアァージ69.2%,リンパ球28.0%,好中球2.6%,好酸球0.2%,OKT_4/OKT_81.5であった。対症療法により,11日目には,血液ガス,呼吸機能とも正常化した。現在まで,急性マンガン気管支炎の症例報告はなく,本例では,BALが行い得たとともに,血液ガス分析,呼吸機能検査,気管支鏡検査などで詳細な経過観察ができた。
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© 1992 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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