1992 年 14 巻 7 号 p. 690-695
稀な発育形態を示した肺過誤腫の2例を報告した。症例1(54歳, 男)は発熱, 血痰を主訴とし, 右下葉の肺実質内の5×3cm大の腫瘤とこれに連続してB6入口部から中間幹腔内へポリープ状に突出する部分からなる軟骨性肺過誤腫であった。下葉切除術によって腫瘍を摘除した。症例2(60歳, 男)は左S^6区域より上下葉間に有茎性に発育した径2.8×2.3cm大の軟骨性肺過誤腫で, 茎部を含む肺部分切除術によって腫瘍を摘除した。2例とも術後経過は順調で, 現在に至るまでとくに再発の徴候を認めていない。