気管支学
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肺内気管支性嚢胞に対する嚢胞腔縮小術の工夫
山本 弘石倉 俊榮藤田 明
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1995 年 17 巻 5 号 p. 390-397

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抄録

肺内気管支性嚢胞の3例, 肺内に穿通し, アスペルギローマを容れた縦隔原発の嚢胞性成熟奇形腫の1例に対して, 嚢胞腔縮小術を適応した。肺尖部嚢胞に対しては, 最小範囲の胸郭成形術と我々の胸壁充填法(一種の空洞形成術)の組み合わせを, それ以外の嚢胞に対しては, 膿胸に対する我々の肺遊離術に加えて, 嚢胞形成術を施行した。1例を術後1年で不慮の事故によって, 他の1例を術後9年半で呼吸循環不全で失ったものの, 残りの2例は術後5年半および6年半の現在, 再発の徴候もなく健在である。肺機能の温存が図れる嚢胞腔縮小術は, 低肺機能例への適応拡大にも繋がるので, 肺内気管支性嚢胞に対する術式として, 試みる価値があると思われる。

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© 1995 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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