気管支学
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気管・気管支領域における Z-ステント留置時の工夫 : 固定ワイヤーの開発と臨床使用
前田 宗宏尾辻 秀章打田 日出夫幕谷 士郎佐々木 義明今井 照彦大石 元濱田 薫成田 亘啓飯岡 壮吾澤端 章好東条 尚根津 邦基
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1995 年 17 巻 5 号 p. 398-403

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抄録

Gianturco type Zigzag stent(以下Z-ステントと記す)は, 気管・気管支狭窄に対する有効な治療法として普及しつつあるが, Z-ステントには挿入時に挿入シースから飛び出る(ジャンピングする)傾向があり, 誤留置の原因となる。そこで, ジャンピングによる誤留置を防止する目的で, 先端部に1∿2cmの間隔をおいて2個の側孔を開けたテフロン・チューブと親水性樹脂をコートしたガイド・ワイヤーを組み合わせたZ-ステントの固定器具(固定ワイヤー)を考案し, 臨床応用した。13例の気管・気管支狭窄症例に固定ワイヤーをZ-ステント留置時に併用し, 全例においてZ-ステントの保持と離脱が簡便かつ確実であり, 適切な位置にZ-ステントを留置することが可能であった。固定ワイヤーは, 特に, 気管・気管支に短いZ-ステントを留置する場合や気管から一側の主気管支に1本のZ-ステントを留置し, その後にステント・ワイヤーの間隙を通して対側の主気管支にZ-ステント留置を行う場合に有用であった。

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© 1995 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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