1997 年 19 巻 1 号 p. 67-70
28歳の男性で銀ろう溶接作業中に金属フュームを吸入し, 急性間質性肺炎をきたした症例を経験したので報告する。入院時の胸部X線写真では両肺野にスリガラス状陰影を, 胸部CTでは散在性のground-glass opacityを認めた。呼吸機能検査では%VC 70.7%, %DLco 37.3%と拘束性換気障害および拡散能の低下を認めた。気管支肺胞洗浄液では軽度の好酸球増加を認め, 気管支鏡下肺生検ではリンパ球浸潤を伴った間質性肺炎像を認めた。発症後約2週間で無治療にて自覚症状, 呼吸機能, 画像上の改善を認めた。本症例の間質性肺炎は銀ろう溶接作業中に発生した金属フューム, 特にカドミウム, 亜鉛が原因と考えられた。