従来より気管支造影所見から検討されてきた気管支分岐異常について、気管支ファイバースコープ所見からの検討を試みた。症例はFBSによりはじめて異常枝を発見された4例である。症例1は肺線維症の男性で、気管憩室を有し、症例2は慢性気管支炎の女性で、気管気管支(B^1)を有し、症例3は原発性肺癌の女性で、右心臓支を有し、症例4は右B^6と左S^6の扁平上皮癌の男性で、両側心臓支を有していた。両側心臓支は極めて稀な分岐異常である。4例中2例は他の分岐上のvariationを有していた。FBSにより異常枝の性状、特に軟骨輪の状態、縦ヒダの有無、先端部の構造などを詳細に観察することにより、異常枝の質的診断が可能であり、さらにその発生機序や病態の解明が進歩する可能性があることを示唆した。