気管支学
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気管気管支形成術の術後合併症の検討
星 永進青山 克彦村井 克己高柳 昇茂木 充生方 幹夫
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1998 年 20 巻 2 号 p. 112-114

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抄録

平成4年1月から平成9年12月までの6年間に当センターで施行した気管気管支形成術41例を対象として, 術後合併症について検討した。男性32例, 女性9例で平均年齢は61歳(23∿79歳)であった。疾患別では悪性疾患36例, 良性疾患5例であった。術式別では管状肺摘除5例, 楔状肺摘除1例, 管状肺葉切除27例, 楔状肺葉切除4例, 気管気管支管状切除4例であった。良性疾患では術後合併症を認めなかった。悪性疾患では広義の吻合部合併症として残存肺葉捻転によると考えられる肺静脈環流障害を1例に認めた。その他の合併症として反回神経麻痺を4例に, 乳び胸を1例に, 急性下肢動脈閉塞症を1例に, 晩期の無瘻性膿胸を1例に認めた。肺静脈環流障害例と下肢動脈閉塞例が術死となった。気管支形成術後の肺動静脈の位置関係は術中に確認する必要がある。

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© 1998 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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