気管支学
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気管に発生した良性多形性腺腫の 1 例
高橋 隆二西海 豊寛原田 尚雄渡辺 英明阿部 庄作
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1998 年 20 巻 2 号 p. 154-158

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抄録

症例は48歳, 男性。尿管結石にて近医入院中, 左肺門部の異常影を指摘され, 平成7年11月に当院を紹介され受診した。この時の胸部断層写真, 胸部CTおよび気管支鏡検査で気管腫瘍を認め精査加療目的で入院した。胸部断層写真では気管分岐部より15mm上方の気管内に径約10mm大の腫瘤影を認めた。胸部CTでは, その腫瘤は気管右前壁より発生し, 気管内腔の約30%を占めていた。気管支鏡検査では表面平滑で細血管の怒張のある黄白色調の軟らかい広基性のポリープ様腫瘤が認められた。生検にて多形性腺腫と診断され, 胸骨正中切開で3軟骨輪(約24mm)の気管管状切除し端々吻合を施行した。病理組織学的に良性多形性腺腫と考えられた。術後経過は良好で術後1年8ヵ月の現在再発・転移なく健在である。

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© 1998 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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