自然軽快した肺胞蛋白症の 1 症例

抄録

症例は34歳, 男性。平成6年5月の定期健診で胸部異常陰影を指摘され当科を受診した。初診時の胸部X線写真で両側肺門を中心としたびまん性陰影を認め, CTでは, 内套領域に容積減少を伴わない浸潤影を認めた。経気管支肺生検および気管支肺胞洗浄で肺胞蛋白症の確定診断を得たが, その後患者の希望もあり外来経過観察したところ無治療のまま約1年の経過で, 著明なX線所見の改善を示した。